2017年10月29日日曜日

【時習26回3-7の会 0676】~「10月21日:メナード美術館『開館30周年記念/コレクション名作』展 & 名都美術館『小山硬』展 & 杉本美術館『奈良大和路/春夏秋冬~第2期』展を見て」「10月24日:日本特殊陶業市民会館『佐渡裕指揮/Köln放送交響楽団演奏会』を聴いて」

■皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。【時習26回3-7の会 0676】をお送りします。
 今日最初の話題は、1021日に浜松市秋野不矩美術館『浜松市美術館コレクション―近現代日本絵画の道筋―【後期】』展 & 名都美術館『小山硬』展 & 名都美術館『小山硬』展 & 杉本美術館『奈良大和路/春夏秋冬~2期』展を4つの美術館を巡って来た。
 このうち、秋野不矩美術館『浜松市美術館コレクション―近現日本絵画の道筋―』展は、そそっかしい小生、【後期】展だと思って行ったら、まだ【前期】展を開催していた。
【後期】展は、1025()からの開催だったので、気を取り直して昨日1028()に見て来た。
 この模様は、次回《会報》にてお伝えする予定である。
 以下、メナード美術館『開館30周年記念/コレクション名作』展 & 名都美術館『名都美術館コレクションⅢ/小山硬』展 & 杉本美術館『奈良大和路/春夏秋冬~2期』展についてお伝えする。

1010分 同美術館発〔新東名 浜松浜北IC→豊田東JCT→東名・名神 小牧IC
1125分 メナード美術館『開館30周年記念/コレクション』展

【メナード美術館『開館30周年記念/コレクション名作』展】
 本企画展では、メナード美術館所蔵の自信作が沢山掲示されていた。
 小生、当美術館は何回も訪れているので殆どの作品は既に見たものであるが、今日の発見は、所蔵作品の初公開collection 2点あったことだ。
 その一つは、アンリ・マティス(Henri Matisse)『コリウール風景(Landscape at Collioure)190506年頃〔添付写真[03]〕。
 本作品は、フォーヴ(fauve)と言う言葉で形容された作品で、フォーヴィズム(fauvism / 野獣派)の嚆矢となった作品。
 初公開作品のもう一つは、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ((Dante Gabriel Rossetti) 1828-82)『肖像(A Portrait)1869年〔添付写真[04]〕。
 ロセッティは、ジョン・エヴァレット・ミレイ(John Everett Millais(1829-1896))と共に象徴主義の先駆と評されるラフェエル前派を代表する英国人画家。
 少し男性的だが、品の良い印象的な顔立ちが、ロセッティが描く女性像だ。

[01]メナード美術館前にて

[02]本企画展leaflet()(左絵:マネ『黒い帽子のマルタン夫人』1881年/右絵:横山大観『霊峰不二山』1933)
                  
[03]アンリ・マティス(Henri Matisse)『コリウール風景(Landscape at Collioure)190506年頃

[04]ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ((Dante Gabriel Rossetti) 1828-82)『肖像(A Portrait)1869
                  
[05]上村松園『新秋』1940-45年頃

[06]熊谷守一『ざくろ』制作年不詳
                  

1150分 同美術館発〔一般道〕
1220分 らーめん陣屋〔昼食〕
1250分 同所発〔一般道〕
1335分 名都美術館『小山 硬(おやま かたし)』展
1150分 同美術館発〔一般道〕
1220分 らーめん陣屋〔昼食〕
1250分 同所発〔一般道〕
1335分 名都美術館『小山 硬(おやま かたし)』展

【名都美術館『小山硬』展】
 名都美術館では、大学弓道部時代の一年先輩である小塩先輩にいつもお会いする。
 今日は、小塩先輩に受付の方との two shot を撮って貰った。
 そして、当企画展の見所を色々教えて頂いた。
 本企画展の 小山硬(おやま かたし(1934- ))氏は、愛知県立芸術大学日本画科の教授を長年務められ、現在も、日本美術院・監事を務められている。
 小生、小山氏の作品が大好きである。
 愛知県立芸術大学の日本画科の教授を務められた巨匠と言えば、氏の他に3人が著名だ。
 片岡球子(1905-2008)氏、現・日本美術院理事長の田渕俊夫(1941- )氏、そして、現・愛知県立大学長の松村公嗣(1948- )氏である。
 3氏の作品は大変素晴らしい。

[07]名都美術館入口の本企画展案内

[08]名都美術館にて小塩先輩と
                  
[09]名都美術館受付嬢Nさんと

[10]本企画展leaflet
                  
[11]小山硬『刻』1959

[12]同『牛』1961
                  
[13]同『天草(祈り)1972

[14]同『玄海の月』1978
                  
[15]同『天草四郎時貞』1991

[16]同『釧路(双鶴)1996
                  
[17]同『釧路(親子鹿)2007

[18]同『早春』1990
                  
[19]同『十五夜(兄弟)2011

[20]同『駿河懸崖』1994
                  

1415分 同美術館発〔第二名環知多自動車道〕
1455分 杉本美術館『奈良大和路/春夏秋冬~第2部~』展

【杉本美術館『奈良大和路/春夏秋冬~2期』展】
 杉本健吉(1905-2004)氏の『奈良大和路/春華秋冬~第2部~』は、第1部と共に、氏の奈良大和路を描いた絵画の集大成である。
 油彩画も墨絵も、見た瞬間に、氏の魅力的な世界に取り込まれて仕舞う。
 氏の作品は、氏が若い時代、梅原龍三郎に私淑しただけあり、梅原の作品に何処となく似た雰囲気があるが、矢張り杉本絵画の originality に惹き込まれて仕舞う。
 代表作の東大寺大佛殿や阿修羅像、旧山田寺仏頭の素晴らしさは言わずもがなだが、今日一番気に入った作品は、油彩画『水門町()1976年と『正倉院銀杏』1976年の2点。
 ご紹介出来る postcards が無いのが残念である。
 小生、この2点を見たら、後頭部がジーンと痺れて仕舞った。

[21]杉本美術館外観

[22]杉本美術館受付横の本企画展案内前にて
                  
[23]同館休憩室にて

[24]本企画展leaflet・栞類
                  
[25]杉本健吉『飛鳥風景(甘樫丘から飛鳥坐神社を望む)1980

[26]同『大佛殿興福寺塔』1944
                  
[27]同『大銀杏』1986

[28]同『旧山田寺仏頭』1944
                  
[29]同『阿修羅像』


1525分 同美術館発〔一般道〕
1745分 拙宅着

【小生comment
 メナード美術館では、フォーヴィズム(fauvism/野獣派)の語源となったアンリ・マティスの『コリウール風景(Landscape at Collioure)』を初めて見ることが出来た。
 名都美術館では、大好きな小山硬の作品を纏めてみることが出来た。
 杉本美術館では、第1期に続いて彼の絵画作品を知る上で欠かせない『奈良大和路』の傑作群を纏めて見ることが出来た。
 事程左様に、名画というのは本当に心を癒してくれていいものである。
 小生、元気なうちは此れからもずっと名画を見続けて行きたいと思っている。

【後記】今日は、1024()に仕事を提示で終え、名古屋・金山にある日本特殊陶業市民会館フォレストホールにて開演された佐渡裕指揮&ドイツの名門ケルン放送交響楽団に拠る演奏会を聴いて来た模様についてお伝えしてお別れする。
演奏曲目は以下の3曲とencore 1曲。

[1] Richard Wagner / Siegfried-idyll:「ジークフリートの牧歌」と和訳される / ほのぼのとした正に牧歌的な曲
[2] Schubert / Symphony No.7 in b minor D.739 “Unfinished”:「未完成」交響曲は2楽章しかない曲だが洗練された名曲
 ※ 昔はNo.8「未完成」とされていた : 理由は、当初Schubert 7曲あった完成曲の次に8番目の交響曲「未完成」とした為 第8番とされていた
 ※ 現在第7番「未完成」と1番繰り上がったのは、作曲された順番がザ・グレートより前の7番目だから
[3] Beethoven Symphony No.5 in c minor Op.67「運命」:我国日本では、第1楽章冒頭のmelodyが「運命」の動機に似ていることから「運命」という副題が付けられている
 ※ 外国では、「運命」という副題は付けられていない
 ※ この曲は、第四楽章が昂揚感の溢れる感動的な終曲で、小生、Beethoven の交響曲の中で一番好きな楽章である
[encore] Mozart / 歌劇『フィガロの結婚』序曲:

 ケルン(Köln)放送交響楽団は、1947年に西部ドイツ放送協会の開局と同時に発足した欧州でも存在感ある放送交響楽団として世界的に知られている。
 現在、日本を代表する指揮者佐渡裕とは2010年から毎年共演を重ねて来ているそうだ。
 2014年末には「第九」の日本ツアーで東京、大阪で10公演を敢行し、大絶賛を浴びた。
 
[30]フォレストホール入口にて
                  
[31]ホールのロビーにて

[32]佐渡裕とKöln放送交響楽団
                  
[33]同上leaflet

[34]本演奏会を含む演奏会scheduleと演奏会program
                  
[35]演奏終了後にlobbyに掲示された encore曲名


【小生comment
  「運命」と「未完成」と言う定番中の定番・名曲の演奏会だったが、実際に此の2曲を連続して生演奏で聴いたのは今回が初めてだった。
 改めて、佐渡裕の指揮の巧さに納得し、メチャクチャ有名な曲も「いいモノはいい」と大満足した楽しいひとときだった。

では、また‥〔了〕

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2017年10月23日月曜日

【時習26回3-7の会 0675】~「井上智洋著/『人工知能と経済の未来』を読んで」「10月08日:愛知県美術館『長沢芦雪』展を見て & 日本特殊陶業市民会館・フォレストホール『ユロフスキ指揮ロンドンP.O. & 辻井伸行Piano独奏』演奏会を聴いて」

■皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。【時習26回3-7の会 0675】をお送りします。
 今日最初の話題は、最近読んだ井上智洋著/『人工知能と経済の未来』についてご紹介したい。
 著者の井上智洋氏は、東京都出身。
 1997年慶應義塾大学環境情報学部卒業。IT企業勤務を経て早稲田大学大学院経済学研究科に入学。
 2011年に同大学より博士(経済学)を取得。早稲田大学政治経済学部助教、駒澤大学経済学部講師を経て、
 20174月から同大学准教授。
 専門はマクロ経済学、貨幣経済論、成長理論。
人工知能(AI)と経済学の関係を研究する pioneer として学会や政府の研究会等にて活動中。
 本書は、題名にある通り、人工知能が経済に与える未来像を予測し、その対処策を説明してくれている。
 結論は、本書の最終章の「第5章/なぜ人工知能にベーッシクインカム(Basic income / 以下BIという)が必要なのか」の処で詳しく述べられている。
 即ち、こう言うことだ。

[1] AIの進歩は、近未来に純粋機械化経済社会の到来を齎す
 [2] すると、人間からかなりの数の職業を奪って仕舞い、AIを活用出来る資本家に富が集中する一方、大多数の人間は働く場を失う
 [3] その結果、社会は、ごく少数の大富豪と働く場を失った大多数の低所得者層に二極化する
 [4] 従って、働く場を失った人、即ち「貧困者を支援する」の方法として、【全国民に一律に】月額7万円程度のBIを支給する
  →・貧富の差関係なく年金の様な形で、全国民に一律に資金を供給する処がBI制度のpoint
  →・国民に一律支給するならば、現行の生活保護の様に、対象者のsegmentと差別意識がなくなる
  →・財源問題もない / 即ちこれは、国民全体で、仮に総額100兆円必要なBIに係る財源も、国民全体で100兆円を享受することから、国民全体から見れば過不足ゼロとなる
  →・観点を変えれば、労働者が働かく場がなくなったのは、AIの進歩に拠り「機械やロボット(Robot)が人間に代わって労働してくれるので、人間は働かなくて良くなった」と考えればいい
  →・ただBI制度実現に向けては2つの大きな課題がある
   (1) 財源を徴収する先は富を集中して享受した「富裕者層」である為、彼等が実質的な増税となるBI制度導入を認めにくい
   (2) 一斉に月額7万円を支給するとhyper inflation が発生する懸念がある〔←これは、月額1万円から徐々に増やしていくという方法で解決可能〕
  →・井上氏は言う / 一国の経済にとって実質的なcostというのは、お金を使うことではなく労力を費やすこと
  →・BIも行政costがゼロではないが、給付の際の事務手続きに要する「労力(Basic income)(cost)も、全国民の銀行口座に月額給付金を振込みすればrunning costは殆ど不要となる
 [5] その結果、月額7万円は年額84万円と、大した額でない様に見えるが、専業主婦と児童人を抱えた4人家族では、84万円×4人=336万円が国から支給されることとなる
  →・増税額が仮に一人100万円としても、この4人家族の稼ぎ手は1人だけなので、増税額は100万円×1人=100万円で、実質(336万円―100万円=)236万円の増収となる
 [6] このことは、このBI制度導入は、子供を産めば所得が増えるという有力な「少子化対策」のmotivation up にも繋がる

[01]井上智洋著/『人工知能と経済の未来

【小生comment
 本書は、示唆に富んだ興味深いものであった。
 ただ、制度として実現することはかなりの困難が伴うものと思料する。
 何となれば、既得権益層となったestablishment(=富裕者層)が、自分達の税負担が増えることに猛然と反対することは火を見るよりも明らかだからである。
 BI制度が導入されるには、高度な政治判断が必要となる訳で、英明で強力な指導力を備えた為政者の出現が待たれることとなる。

■続いては、前《会報》にてご紹介した、去る1008()に訪れた「名古屋市美術館『ランス美術館』展」「東京三菱UFJ銀行貨幣資料館『広重 蔦吉版 東海道』展」の後に訪れた1つの美術館と1つの演奏会、即ち「愛知県美術館『長沢芦雪』展」「日本特殊陶業市民会館『ウラディミール・ユロフスキ指揮/London P. O. Piano : 辻井伸行』演奏会を聴いて」についてご紹介する。

13:15 愛知県美術館着『芦雪』展

【愛知県『長沢芦雪』展】
 長沢芦雪((=長澤蘆雪)1754-99)は、江戸中期から京都で有名となった円山・四条派の祖、円山応挙(圓山應擧(1733-95))の高弟。
 四条派の祖、呉春(1752-1811)も影響を受けたと言われる丸山応挙の「写生を重視した親しみ易い画風」は、芦雪もその特徴を確り受け継いでいる。
 芦雪は、写実性を重視しつつも、作品に拠っては「大胆な構図、斬新なclose-up を用い、奇抜で機知に富む画風を展開して行った。
 本企画展では、芦雪の生涯と通して84点が展示されている。
 日本の美術史学者で東京大学・多摩美術大学の名誉教授の辻惟雄(つじ のぶお(1932- ))の著作『奇想の系譜』で、伊藤若冲(1716-1800)、曾我蕭白(1730-81)等と共に長澤蘆雪も取り上げている。
 著者が同書の中で述べている「『異端』ではなく、主流の中の前衛なのだ」という言葉が、芦雪の作品を見ていると強い説得力を持って迫って来る。
 以下に展示作品から幾つかをご紹介するのでご覧頂きたい。

[02]愛知県美術館入口にて
                  
[03]長沢芦鳳『長沢芦雪像』1830-44(天保年間)

 ※ 長沢芦鳳は、芦雪の養子芦洲の息子

[04]丸山応挙『牡丹孔雀図』1774(安永03)
                  
[05]長沢芦雪『牡丹孔雀図』1781-85(天明前期)

[06]同『薔薇蝶狗子図』1794-99(寛政後期)
                  
[07]同『松竹梅図』1789年~(寛政初期)

[08]同『富士越鶴図』1794(寛政06)
                  
[09]同『孔雀図』1794-99(寛政後期)

[10]同『大原女図』1794-99(寛政後期)
                  
[11]同【重文】『虎図襖』(部分)1786(天明06)年/無量寺・串本応挙芦雪館蔵

[12]同【重文】『龍図襖』(部分)1786(天明06)年/無量寺・串本応挙芦雪館蔵
                  
【小生comment
 伊藤若冲の再評価がされ、boomとなっているが、長沢芦雪も若冲に負けていない。
 これから評価が上がっていくことだろう。
 有意義な展覧会だった。
 話は変わるが、世間はホント狭く、セレンディピティ(serendipity)なことが起きることを実感した。
 それは、芦雪展を見終え、常設展cornerに向かっていた時に起こった。
 廊下の展示物の一つに昼食時、らーめん陣屋の店主夫人が話されていた、藤井聡太四段が大村愛知県知事にpresentした「二十一手詰」の詰将棋の譜面が掲示されていたのである。
 Captionに、「解答を知りたい方は受付迄」とあったので、早速貰って来た。
 以下に、「二十一手詰」の詰将棋の譜面を添付する。
 猶、解答は、敢えて伏せておくことにする。(笑)

 [13]藤井聡太四段が大村愛知県知事にpresentした「二十一手詰」の詰将棋の譜面

14:10 同所発 →〔地下鉄〕→ 金山 →
14:30 日本特殊陶業市民会館着
15:00Piano 辻井伸行/ウラジミール・ユロフスキ指揮 London P.O.』演奏会 開演

【日本特殊陶業市民会館『ウラディミール・ユロフスキ指揮/London P. O. Piano : 辻井伸行』演奏会】
 演奏曲目は以下3曲と encore 2
1. ワグナー/ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲
2. チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番〔Piano独奏 : 辻井伸行 / encore : ショパン/ノクターン第20番 遺作〕
3. チャイコフスキー/交響曲第5番〔encore : チャイコフスキー/ 歌劇『エウゲニオネーギン』からポロネーズ〕

[14]フォレストホール入口にて
                  
[15]本演奏会programleaflet

[16]encore曲の紹介看板
                  
【小生comment
 London P.O. の演奏は初めて聴いた。
 同楽団は、1932年トーマス・ビーチャムに拠って創立された。
 此の日の辻井伸行のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の演奏も素晴らしかった。
 又、ウラジミール・ユロフスキ(Vladimir Jurowski(1972- ))はモスクワ生まれ。
 1995年 アイルランド(Ireland)南東部のウェックスフォード(Wexford)で毎年10月~11月にかけて開催されるオペラの音楽祭「Wexford Festival Opera」に初登場。
 その時ユロフスキがタクト(Takt)を振った リムスキー=コルサコフ『5月の夜』が大評判となった。
 同年 英国Londonのコヴェント・ガーデン(Covent Garden)に所在するロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House / 略称:ROH)にてヴェルディの歌劇『ナブッコ』を指揮しdebut
 此の日最後に演奏した、チャイコフスキーの交響曲第5番の演奏は圧巻だった。
 又、辻井伸行がencore曲として弾いた「ショパン/ノクターン(夜想曲) 20番 遺作」は、映画「戦場のピアニスト」の実在のモデルとなったウワディスワフ・シュピルマンが、映画のopeningでラジオ局のstudioで演奏していた曲。
 辻井は、哀愁を帯びたmelancholicな此の名曲を、情感豊かに且つ完璧な演奏で弾き切り満場の聴衆を虜にした。

【後記】今日のお別れは、此れも美術館巡りの話題。
 先週半ばの1118() 小生が勤務する会社がある開発ビル9階にある名豊ギャラリーにて1010日~1102日迄開催中の、「所蔵品展『森清治郎』展」についてご紹介してお別れする。
 森清治郎(もり せいじろう)(1921-2004)の略歴は以下の通り。
 愛知県生れ / 東京美術学校・図画師範科を10年かけて卒業(左大腿部カリエス闘病生活の為)
 寺内萬治郎(1890-1964)に師事 / 師の影響を受け、裸婦画を絵画活動の中心にstart /のち風景画(建物)に方向転換 / 光風会展、日展等多数入選、南薫造賞受賞
 1958年以降数度渡欧し、藤田嗣治、荻須高徳、保田春彦等と親交を結ぶ
 老境に至り、石仏と民家の作品が人気となる

[17]名豊gallery入口の本企画展案内看板

[18]本企画展leaflet / 写真の絵は、出品目録21『滑津宿雨後〔七ヶ宿中〕』1981
                  
[19]同 出品目録

 【小生comment
 風景画の中でも建物の作品に味わい深い作品が多い。
 彼の作品を見ていると、渡欧に拠り親交を結んだ荻須高徳(1901-86)が得意とする街中の建物や、向井潤吉(1901-1995)の十八番、農村の民家・宿場町の町並みを描いた作品が思い浮かんで来る。
 展示作品総数は25点と多くないので昼休みのひととき名画鑑賞するには打ってつけの企画展である。

 では、また‥〔了〕

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